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2018年3月16日金曜日

割引率について(ウォーレン・バフェット)

バリュー投資サイトのGuruFocusで、ウォーレン・バフェットが過去にインタビューで語った内容を取り上げている記事がありましたのでご紹介します(原典は、バリュー投資家にとっておなじみのOID誌です;Outstanding Investor Digest)。今回の文章は短いですが、前2回つづけた投稿(過去記事1, 2)のカギとなるものです。(日本語は拙訳)

Buffett and Munger on Discount Rates and How They Read Annual Reports (Grahamites氏の記事、GuruFocus)

<バフェット> 将来における現金の収支を見積もることができたら、それらの数字を現在価値へと引き直すために、割引率をいくつにすればよいかが問題になります。わたしの感覚では、ほとんどの資産においておそらく長期国債[おそらく30年債]の利回りが最適な数字だと思います。ただしわたしだけでなくチャーリーもそうですが、「金利が低い側にある」という印象を持っているときは、おそらく長期国債の利回りそのものを使おうとは考えないと思います。そのようなときには、ふつう1ポイントか2ポイント追加するかもしれません。しかし、この一連の説明を聞いた方は、長期国債の利回りを使ってみたくなるでしょう。そうだとしたら、株式と債券における経済的な面での違いは事実上なくなります。違っているのは、債券の場合は将来どれだけのキャッシュフローが得られるのか知り得るのに対して、株式の場合は自分でそれを見積もらなければならない点です。これは骨の折れる仕事ですが、ずっと大きな見返りが得られる可能性を秘めています。それゆえ、仮想的な収入には関わりたくないのでしたら、農地やアパートやそういったものを見積もったほうがいいでしょう。少なくとも、わたしたちはそうしています。

Buffett: And once you’ve estimated future cash inflows and outflows, what interest rate do you use to discount that number back to arrive at a present value? My own feeling is that the long-term government rate is probably the most appropriate figure for most assets. And when Charlie and I felt subjectively that interest rates were on the low side – we’d probably be less inclined to be willing to sign up for that long-term government rate. We might add a point or two just generally. But the logic would drive you to use the long-term government rate. If you do that, there is no difference in economic reality between a stock and a bond. The difference is that the bond may tell you what the future cash flows are going to be in the future – whereas with a stock, you have to estimate it. That’s a harder job, but it’s potentially a much more rewarding job. Logically, if you leave out psychic income, that should be the way you evaluate a farm, an apartment house or whatever. And in a general way, Charlie and I do that.

2 件のコメント:

リュウジ さんのコメント...

GuruFocusと言えば、サイト創設者であるチャーリー・ティエン氏の著書が先月翻訳されていましたね。題名は、相変わらずのパンローリング社クオリティですが。『とびきり良い会社をほどよい価格で買う方法』http://www.tradersshop.com/bin/showprod?c=9784775972304

内容のほうは「素晴らしい企業を、まあまあの値段で買う」ことについてのアイデアがふんだんに紹介されており、さながらバリュー投資版幕の内弁当と言ってもよい良書でした。

しかし、中には「フリーCFが価値の源泉であることは重々承知しているが、大多数の人間が注目しているのはEPSであるし、素晴らしい企業なら両社は近似値へ収束していく」ため、企業価値算定にはフリーCFではなくEPSを使ったほうがよいという刺激的なアイデアもありました。

その信憑性はともかく、私個人にとって、一つの評価法に依存しないことや世界はどう見ているのかという視点の大切さを再認識するきっかけを与えてくれた意味で、非常に印象に残ったアイデアだったため、紹介の意味も込めてコメントさせてもらいました。

長々と失礼しました。

betseldom さんのコメント...

リュウジさん、返信が遅くなって申し訳ありませんでした。

翻訳書のご紹介をありがとうございました。おもしろそうな本ですね。ぜひ読んでみたいと思います。

ご紹介いただいた一文「フリーCFが価値の源泉であることは重々承知しているが、大多数の人間が注目しているのはEPSであるし、素晴らしい企業なら両社は近似値へ収束していくため、企業価値算定にはフリーCFではなくEPSを使ったほうがよい」については、たしかに著者が書かれているとおりだと思います。だからこそ、キャッシュの使い道をとらえ直すことに「投資家としての」価値が眠っている、と個人的には考えています。

リュウジさんをはじめ、みなさんからおすすめの書籍をご紹介いただいて、ありがたいばかりです。またよろしくお願いします。(蛇足ですが、同じパン屋さんの本を読みかけています。題名は『脳の配線と才能の偏り』、興味深いテーマです)