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2017年7月12日水曜日

時間の無駄かもしれない(ハワード・マークス)

Oaktreeのハワード・マークスが1月に書いたレターは、「専門家の見解(Expert Opinion)」と題したものでした。「専門家による予測は、あまり当てにならない」とする主旨が、彼らしい実際的な視点から説明されていました。そのなかで気に入ったいくつかの箇所を、少しずつ引用してご紹介します。原文のリンク先は以下のとおりです。(日本語は拙訳)

memo from Howard Marks: Expert Opinion [PDF] (Oaktree Capital Management)

息子アンドリューの助力を得て、メディアが及ぼす効果を解き明かしてみました。

・あるできごとに関心を持ち続ける人は、「その件へ積極的に関わっていると共に十分な情報を得ている」と感じるようになります。
・情報を得ていると自覚する人は、自信をもって考えたり、行動したりするものです。
・しかしメディアに登場する評論家であっても、他の人と同程度の洞察力しかないことがよくあります。
・それはともかく人間とは、自分の考えに逆らう内容ではなく、自分の信念を支持する内容を発するメディアへと関心を寄せがちです。
・それがために、メディアに登場する専門家に耳を傾けるのは、楽しいひとときではあるものの、知性の点からすると時間の無駄と言えるかもしれません。(p. 4)

My son Andrew has helped me dope out the media effects:

- Following events makes people feel they're actively involved in them and well informed.
- People think and act with more confidence when they consider themselves informed.
- But the media pundits often are no more insightful than the rest of us.
- And anyway, people tend to follow media outlets that confirm their beliefs rather than challenge them.
- Thus following the media experts, while entertaining, can be a waste of time intellectually.

参考となる過去記事としては、確証バイアスの話題になったときによくご紹介している「ダーウィンの『逆ひねり』」があります。さらに今回は別の記事、「動物はパターンを見つけずにはいられない」も挙げておきます。

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