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2012年3月10日土曜日

マーク・ファーバー対ウォーレン・バフェット

マーク・ファーバーは逆張りで有名な投資家です。見た目がちょっとこわいおじさんですが、切れ味のよい論理的な主張で人気があります。ジム・ロジャーズと同じように、ここ何年かは商品強気を説いてきました。今のところは当たってますね。

先日ご紹介したバークシャー・ハサウェイの「株主のみなさんへ」では、ウォーレン・バフェットは彼らしい表現でゴールドに対する懐疑的な評価を展開していました。今回ご紹介するのは、マーク・ファーバーによる逆の見解です。引用元の記事はBuy Gold “Right Away” Says Marc Faberです。(日本語は拙訳)

最近になってウォーレン・バフェットが、資産としてのゴールドを否定的にみる見解を表明したが、いうまでもないがファーバーは強く反対している。ゴールドを保有していない投資家は大きなリスクに直面している。ファーバーは幾度もそう述べてきた。債務不履行とか、G7各国の中央銀行が協調して自国通貨を減価させるようなこともありうる。それらのリスクはまだ消えていない、と彼は確信している。

ファーバーは言う。「ゴールドをぜんぜん保有していない?私なら今すぐ買い始めますよ。ただし、値段は下がるかもしれないのをお忘れなく」

Without saying so, directly, Faber disagrees strongly with Warren Buffett’s recent and controversial negative assessment of gold as an asset. Faber has stated on numerous occasions that investors who own no gold take on enormous risk, including debt defaults and/or currency devaluations, as central banks of the G-7 seek to simultaneously devalue its respective currencies. He believes those risks remain alive and well.

“If you don’t own any gold, I would start buying some right away, keeping in mind that it could go down,” states Faber.


こちらは、ゴールドの現在の価格水準についての見解です。

ゴールドがバブルかどうか議論されているが、ファーバーはそのような説は抱いていない。ゴールドにはバブルの兆候がみられない、と彼は何度も言ってきた。ゴールドを保有している投資家はほとんどいないのだから、「ナスダックや不動産に投資すれば金持ちになれると言われたけれど、今回もそれと同じだ」というような雑音は気にしないように、とも。

「ゴールドはバブルではない。まだバブルじゃなかった1973年には、40%も調整したのだ」とファーバーは言う。200ドルの記録的な水準をつけたあとに100ドル近くさがったときの、否定的だった見方を振り返った。

As far as the debate whether gold is in a bubble, Faber doesn’t hold to that thesis. He, on several occasions, has said the signs of a bubble in the gold market aren’t there. So few investors hold any gold, never mind raving about it as a road to riches, as was the case of the Nasdaq and real estate.

"No, gold is not in a bubble. It wasn’t in a bubble in 1973, either, but it still corrected by 40% then," says Faber, referring to the negative sentiment at that time in the gold market after the price sank to nearly $100, from a record high of $200.


2000年前半には、ウォーレンもシルバーを大量に買い集めていました。価格が大きく上昇する前に処分してしまいましたが、商品の動向は引き続き監視していると思います。単なる予感にすぎないのですが、ウォーレンは今後のゴールド・バブル(とその後の急落)を想定し、警告の意味を含めてあのような文章を書いたのかもしれません。

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